きっと、君を離さない
「あ、笑った・・・」
「え?」
悠斗は、驚いたように目を見開き、そのあとフッと笑った。
「本当に、あなたって・・・」
「悠斗」
「え?」
「俺の名前、悠斗」
私に、呼べと?
もうこれから先、呼ぶ事のない名前を最後に呼べと・・・。
「・・・私、悠斗にお礼を言わないといけません」
「お礼?」
「ありがとう。でも、私はもう、大丈夫なので、あなたは、あなたの在るべき場所に戻ってください」
「え?」
「このひと月と少し、あなたとの日々は・・・少しだけど、幸せでした」
まるで、彼といるようで。
彼とあなたを重ねるのは、申し訳ないと思ったけれど。
もし、彼が生きていれば、こうやってお見舞いにこれたのかなって。
夢を見ることが出来ました。