きっと、君を離さない
―もう、十分です。あなたには、十分なことをしてもらいました
―ありがとうございました。さようなら
謎の言葉を残して、彼女は走って去っていった。
追いかけることもできず、ただ混乱する頭でどういうことなのかと頭を巡らせることしかできなかった自分。
でも、俺にとってのいい結果には至らない気がして。
いてもたってもいられず、とりあえずあのスナックに向かった。
まるで、俺の前から消えるような言い方。
俺は、春香ちゃんの側にいると決めたのに。
でも、そのことは、春香ちゃんには言ってない。
言えば確実に、拒まれることをわかってるから。
だから、そっと側にいようと。
それなのに。