きっと、君を離さない
「どういうこと・・・?」
「俺には十分いろいろしてもらったからって。ありがとう。さよならって・・・」
「え?」
江梨子さんは心配そうに眉を下げた。
江梨子さんにも、なにも話してない。
もしかして、俺の考えすぎなんだろうか。
本当に彼女は体調不良で眠ってるのかもしれない。
「春香ちゃんの家を、教えてもらえませんか?」
「でも・・・」
「お願いします。俺、心配なんです」
胸騒ぎがするんだ。
なにか、よくないことが起きてるんじゃないかって。
俺の知らないところで、何かが動いているんじゃないかって。
「わかったわ。私、仕事を抜けられないから・・・。何かあったら連絡ちょうだい」
「わかりました。ありがとうございます」
江梨子さんに地図を描いてもらいそれを持って店を後にする。
春香ちゃん。
今、どこにいるの?
一人で、なにをしているの。