きっと、君を離さない



春香ちゃんが住んでいるというアパートは築何十年もたっている少し古びたアパートだった。
カンカンカンという音を立てながら二階にあがり、その角部屋の前まで進んだ。



そこが、春香ちゃんの部屋。




表札はない。
女の子の一人暮らし、当然か。





ベルを鳴らす。
しばらく待っても返答はない。




「春香ちゃん!」





声をかけてみる。
それでも、返答はなかった。
耳を澄ましてみるけど、中に誰かがいるような物音もせず、ドアノブを回してみたけど案の定鍵がかかっていた。




出かけているんだろうか。




それにしても、体調不良だというなら家にいないのはおかしい。
やっぱ、なにかあったんじゃ・・・。





不安が胸をよぎる。
でも、どこをどう探せばいいのかわからない。





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