きっと、君を離さない


今は、サークルが始まるころ。
きっと体育館にいる。




体育館の扉を開ければ、仲間たちがそれぞれウォーミングアップをしていた。


「おお、悠斗!退院おめでとう!もういいのか?」




声をかけてくれる仲間を無視して、その中に見つけた池内のもとに向かった。
池内は、俺を見ると少しばつの悪そうな顔をする。




「池内!」




俺は池内の胸ぐらをつかむと地面に叩きつけた。
池内の上に馬乗りになり睨みつける。


騒然となる体育館。




「おい!悠斗!どうしたんだよ!」





仲間が、駆け寄ってくる。
構ってなんていられない。




「お前!どういうつもりだよ!お前だろ!菜緒の事春香ちゃんに話したの!」

「・・・そうだよ」

「なんで!」

「全部話した。江梨子さんって人が来たことも。お前が、春香ちゃんを選んで菜緒を振ったことも」




池内は下から俺を睨みつけるようにしてそう言った。




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