きっと、君を離さない
「なんでそんなことすんだよ!」
「俺だって!春香ちゃんの事可哀想だって思う!力にだってなってやりたいと思うけど!それで菜緒が苦しむのは違うだろ!」
「だからって!」
「・・・春香ちゃんだけ何も知らずに。そのせいで苦しんでる菜緒がいるのに、それが・・・悔しかったんだよ」
だからって、そんな事言って彼女が傷つくって思わなかったのかよ。
「そんなことしたら・・・。自分のせいだって、自分を責めるに決まってるじゃないか」
「・・・だったら、どうしたらよかったんだよ。俺だって。・・・後悔してる」
俺は、池内の上から降りフラフラする足取りで体育館を後にした。
俺、なにやってんだろ。
俺のせいで、必要以上に春香ちゃんを傷付けた。
彼女の力になりたいって思ったのに。
見つけ出さなきゃ。
きっと、彼女は一人で泣いている。
もう、一人にしないって言ったんだ。
そう、決めたんだ。