きっと、君を離さない
「でも、あそこは・・・ありえないかしらね」
「え?」
「・・・施設があったあの町よ。でも、あれ以来一度も行ってないの。そんなところに今更行くかしら」
健太といた場所。
健太がいなくなった場所。
「あの子にとっては、辛い思い出の場所になっちゃったからね」
「・・・教えてください。そこは、どこなんですか」
健太を求めて、春香ちゃんはそこに?
“消えちゃえ”
そう言われて、本当に消えようと思ってる?
健太に、迎えに来てもらおうって・・・。
「江梨子さん、ありがとう。行ってみます!」
江梨子さんにお礼を言って、店を飛び出した。