きっと、君を離さない



しばらくして運ばれてきたおかゆ。
真ん中には真っ赤な梅干し。



梅干しなんか、うちにあったっけ。




「寝てる間に買い物に行ったんだ」

「へえ」




私の疑問に気付いたのか悠斗がそう言って笑った。
全く気付かなかった。





「・・・おいしい」

「ほんと?やったね」




嬉しそうに笑う悠斗を見ながら、二口目を口に運ぶ。





「・・・悠斗は食べないの」

「俺?ああ、ごめん。待ちきれなくて先に軽く食べたんだ」

「そっか。よかった」




お腹すかせて待ってたわけじゃないなら良かった。
私は、安心しておかゆをまた口に運んでいく。






< 168 / 390 >

この作品をシェア

pagetop