きっと、君を離さない
「聞いてくれる?春香ちゃん」
「はい?」
突然、唐突に話し出す。
「俺、池内と喧嘩しちゃった」
「・・・池内って。あの草太さん?」
あんなに仲よさそうだったのに。
お互いがお互いをよくわかってて、本当に親友ってこういう事なんだって思った。
そんな二人が、ケンカだなんて。
「しかも、サークルの場で」
「え?」
「胸ぐら掴んで、馬乗りになって怒鳴っちゃった」
それは、とても大ごと。
なんとなく、それは私が原因なんじゃないかと思う。
きっと彼は言わないけど。
「ああ、明日からのサークルどうしよう」
「・・・はい」
何と答えたらいいかわからず、なぜか頷いてしまった。
いや、意味が分からないし。
でも、こんな時なんと言っていいのかわからない。