きっと、君を離さない
「こんな風に、何でも話してくれていいんだからね」
「え?」
顔をあげれば、ニコニコとしている。
もしかして、私が話をしやすいように自分の話をしてくれた?
相談しろと言ったところで、私ができないことをわかって?
「俺は、ちゃんと謝ってくるよ」
「・・・私も、行った方が」
「ははっ、なんで」
「だって、それ、私の・・・」
「それ、なし。なんでも自分のせいにするの、なしだから」
ビシッと指を指されてそう言われた。
私は口を噤む。
「それ、自意識過剰って言うんだからね」
「なっ!」
「ま、応援しててよ。また報告するからさ」
本当に彼はつかめない。
私の悩みなんてまるで本当にちっぽけなもののように。
大きな手で拾い上げてくれているみたい。