きっと、君を離さない
「そんなの・・・、贅沢だよ」
ずるい。
そうやって、私なんかよりずっと幸せの場所にいる理恵が、まるで世界の終りのような顔して。
誰かに必要とされない絶望も、愛する人に置いていかれる悲しみも、知らないくせに。
「もういいの。どうせ・・・」
理恵はそう呟くと、私を置いて走り去っていく。
私は置いてけぼり。
このもどかしい想いも、連れ去ってくれればいいのに。
伝わらない。
届かない。
理恵には幸せでいてほしい。
幸せになれる力を持っているのに。
私とは、違うんだから。
結局、クリスマスパーティーにも誘えないまま・・・。