きっと、君を離さない
クリスマス。
ちょうど、学校は冬休みを迎えた。
通知表は散々。
だけど、それを咎める人なんかいない私には関係のない話。
悠斗に指定された時間、指定された場所に向かう。
どうして、なにも文句も言わず来てしまっているんだろう。
なにが、そうさせるのか・・・。
「春香ちゃん」
立ちすくむ私の声をかけてきたのは、悠斗ではなく。
「草太・・・さん?」
私の呟きに笑顔でうなずく彼、草太。
なぜ彼が、悠斗との待ち合わせの場所にいるのか。
たまたまなのか、それとも。
「迎えに行けって頼まれて」
「・・・悠斗?」
「そう。人使い荒いだろ」
「・・・うん」
それでも、嫌な顔一つせず引き受けたんだろうことが伺えるくらい、彼は優しい顔をしていた。
理恵が、彼には彼女ができたと言っていた。
めぼしい女性と一緒にいるところも見たのだと。
尋ねてみようか。
でも、私がそんなことを聞いてどうしようというんだろう。
私の言葉に、理恵は耳を傾けてくれるだろうか。