きっと、君を離さない



「おかえり」




ふわっと、笑う彼。
胸が締め付けられるよう。



どうしてあなたは、いつも。
私がいてほしいと願う時に現れるんだろう。



側に、いてくれるんだろう。





「なんで・・・?」

「電話の声が、変だったから。心配になって」

「それだけ?」

「言っただろ?俺が側にいるって」




どうして彼は、私がほしい言葉をくれるんだろう。
私が伸ばした手に、気づいてくれるんだろう。






「・・・お人よし」





素直になれない、嫌な自分。
それでも彼は優しく笑ってて。







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