きっと、君を離さない



「池内には、会えた?」

「・・・うん。でも、間に合わなかった。なにも、できなかったよ」




彼も、理恵に恋をしていたんだろうか。
私には何も話してはくれなかったけれど。

とても、寂しそうだった。



私が、もう少し力になれていたら。
彼の未来も、変わったんだろうか。





「そっか、辛いね」

「・・・平気。一人には、慣れてるから」





友だちなんて、いらない。
もう、友だちなんて。



裏切られることには慣れている。




一人になることも、平気。






だってずっと一人だった。







誰にも、必要とされてこなかったんだから。








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