きっと、君を離さない


女の子の一人暮らしなのだから、少しは自覚を持ってほしい。
なんてことを思いながら、そっと中を覗く。

部屋の中は暗闇で、人がいるように思えなかった。




「春香・・・?」




呼びかけても、もちろん返答はなくて。
やっぱり誰もいないのか?


でも、このまま開けっ放しで放っておくわけにもいかずそっと中にはいる。



こんなこと、本当はいけないことだと思いながら。





手探りで前に来た時の事を思い返し、電気のスイッチを探す。
ようやく見つけたスイッチを押すと、辺りは明るく照らされた。




「・・・春香!?」




部屋の奥、ベッドに蹲る春香の姿を見つけた。
いたんだ。

こんな暗闇の中で、不安が頭をよぎる。
俺の不安は、当たっていたんじゃないか。




「春香!」

「・・・ゆう・・・?」

「ああ、俺だよ。どうしたんだよ」

「・・・ひとり・・・みんな、私を・・・」

「春香?」




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