きっと、君を離さない
涙の跡の残る頬を撫で、涙を拭う。
こんな小さな体で、いろんな苦しみを背負っている彼女。
一人で抱え込むには、彼女の体は小さすぎるように思えた。
「俺にも…わけてよ・・・」
俺になにができるだろう。
この思いが、届く日が来るんだろうか。
俺は、散らかった部屋を片付けながら考える。
自分には何ができるのか。
春香に、俺がいるよと、一人じゃないよと言い続けることしかできないのか。
それで、彼女が救われるのなら何度でも言うよ。
でも、言葉だけじゃダメなんだ。
言葉だけじゃ、信じてもらえない。
俺の力は、こんなにも小さい。
健太・・・。
お前なら、彼女にこんな思いをさせずに済んだ?
こんな思いをする前に、気づいてあげられた?