きっと、君を離さない
俺は、お前になりたいよ。
無条件で信じられてるお前が羨ましいと思う。
きっと、初めて春香が好きになった人。
その思いを受け止めてもらえた人。
俺が、敵うわけがないんだ。
健太の代わりになんて、なれるわけがなかったんだ。
「・・・情けねぇ・・・」
そう呟けばこみ上げてくるものに、心を支配される。
俺は、頭を振り雑念を拭うと台所に向かう。
きっと、なにも食べていないんだろう。
なにか食べれそうなものを作ろう。
料理は得意ではないけど。
きっと放っておけば、なにも食べない気がして。
俺は、必死で自分のレパートリーを探した。
結局、作ったのはチャーハン。
そして、ちょうどあったレトルトのわかめスープ。
出来上がった頃、ベッドでごそごそ動く姿に気づいた。
俺が部屋に向かうと目を覚ました春香が、ボーッと俺を見ていた。