きっと、君を離さない
後片付けもしっかりと済ませ、俺は玄関に立った。
すっかり夜も更け、女子高生の一人暮らしの家にいつまでもいるのはと帰ることにした。
本当は、側にいたいけど。
春香はそれを望んではいない気がして。
迷惑だと言われるのが怖くて情けなくも帰る準備をしている。
本当は、側にいたい。
その手を握り、「大丈夫だよ」って言っていたい。
「・・・じゃあ、ちゃんと飯は食えよ」
「わかってる」
「なんかあったらすぐ連絡しろよ」
「・・・心配性」
「当たり前だろ、心配なんだから」
本当は、ひと時でも離れたくない。
でも、俺は春香のどんな存在なんだろう。
そのことが引っかかって、深追いできない。
情けない。
こんな思い。
側にいると。
そう、決めたはずなのに。
余計な雑念が邪魔をするんだ。