きっと、君を離さない
「お前は、いつもそうやっていろんなもの背負いこもうとするんだ。いつかお前が潰れる」
「いいよ。俺なんかどうなったって」
「大石・・・。春香ちゃん、そんなに参ってたのか?」
心配そうな声。
俺は、俯く。
「参ってたとか、そんなレベルじゃない・・・。壊れてしまいそうで・・・怖いんだ」
「追い込まれてる感じなのか?」
「・・・人一倍、置いてかれるとか一人ぼっちだとか・・・そういう事に敏感なんだ」
ようやく少しだけ距離が近づいて心を開きかけてくれていると感じてた。
でも、簡単に壊れてしまう。
簡単に離れてしまうんだ。
積み重ねて来たものがすべてなかったように。
「それなのに・・・俺は、何もしてやれない」
「側にいてあげればいいんじゃねぇのか?」
「・・・春香がそれを望んでいるのかわからない」
「そんなこと、考えたって仕方ないだろ。大石は、側にいたいんだろ?心配なんだろ?だったら、側にいてあげればいいじゃないか」
俺がいて、いいのかな。
それは、彼女のためになるのかな。
でも、考えてもそんな答えでないのかもしれない。
考えて足踏みしているうちに彼女はもっと遠くに行ってしまうかもしれない。
「ありがとう、池内!」
俺は、ファミレスを飛び出した。