きっと、君を離さない



「私・・・死のうとしたの・・・?」

「覚えて、ないの・・・?」

「・・・あんたが帰って・・・一人になって・・・暗闇に押しつぶされそうになって・・・気づいたら、ここにいた・・・」



暗闇から逃げようとしたの?
それが、春香にとってはこうすることだったんだ。




「春香、今度から逃げたくなったら俺のところに来て」

「春香ちゃん。これからはさ、大石のために生きてよ」

「・・・悠斗のために?」

「そう・・・。春香ちゃんが生きてくれないと、こいつどこまででも春香ちゃんの事追いかけて行っちゃうから」



池内の言葉に、春香の瞳が潤む。




「春香、一人だなんて思わないで・・・。ごめんな。側にいるって言いながら、春香の事守れなくて」

「なんで・・・なんであんたが・・・」

「これからはちゃんと守るから。だから、俺を春香の側にいさせて」





ちゃんと、ちゃんと、伝えなきゃ。
俺の思い、気持ち、全てを。


でなきゃ、また春香はどこかへ行ってしまいそうだから・・・・・。




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