きっと、君を離さない
「悠斗」
「ん?」
「一つだけ・・・お願いがあるの」
一つだけ、わがままを言わせてほしい。
いつも真っ直ぐな彼。
いくら私が拒絶しても、突き放しても側にいてくれる。
そんな彼を、私はいつまで目を背けていくんだろう。
自分の雪解けのように溶けていく心に気づきながら、いつまで逃げていくんだろう。
今が、ちゃんと悠斗と向き合う時なんじゃないの?
逃げてちゃ、ダメ。
「・・・もう少しだけ、私の側にいてください」
今はまだ、こんな風にしか伝えられないけど。
いつか、ちゃんと伝えられたらいい。
自分の気持ちにも整理をつけて。
悠斗にまっすぐぶつかっていけたら・・・。
「バカだな。言っただろ。ずっと側にいるって」
ほら、悠斗は疑うことなくそう言ってくれる。
私のすべてを受け止めてくれる。