きっと、君を離さない
「無理してると思う。追い詰められてるあいつも、見た」
「・・・っ」
「それでも、春香ちゃんといる時のあいつは、一番あいつでいられてると思う。きっと、あいつは幸せだと思う」
傍から見ている草太が想うこと。
それは、私にとっては新鮮で。
新しい発見の様だった。
「だから、あいつの事よろしく頼むよ」
「・・・ありがとうございます」
溢れてきた想いは涙となって。
ポロポロととめどなく零れる。
草太は笑いながらティッシュを差し出す。
「春香ちゃんが春香ちゃんでいれば、あいつは幸せだと思う。背伸びしなくてもいい、頑張りすぎなくていいから。今の精一杯の春香ちゃんでいてあげて」
「・・・はいっ」
「言っとくけど、俺だってほんとに春香ちゃんの事大切に思ってるんだからな?」
「え?」
「悠斗が気にしてるからって理由だけで、心配してるわけじゃないからってこと」
顔をあげ、草太を見る。
草太は真剣な顔をして私の視線を受け止めた。