きっと、君を離さない
「みんなが幸せで、嬉しい」
「ん、そうだね」
私も、憎まれ口ばっかりだったけど、ちゃんと悠斗と普通の会話ができるようになった。
それがすごく、嬉しいんだ。
「春香は、今幸せ?」
「え・・・?」
「無理してない?」
悠斗は、神妙な顔をして私を覗き込む。
無理・・・?
私は、少し考える。
「してない」
「本当?」
「うん。してない。私、幸せだと思う」
悠斗がいてくれて、幸せだと本当に思う。
それは嘘じゃない。
まだ、完全に前を向けたわけじゃないけど。
暗い感情が湧いてくることもあるけど。
「悠斗がいてくれるから・・・」
「え?なに?聞こえない」
「なんでもない!」
恥ずかしくなって、小走りで歩き出す。