きっと、君を離さない



「みんなが幸せで、嬉しい」

「ん、そうだね」



私も、憎まれ口ばっかりだったけど、ちゃんと悠斗と普通の会話ができるようになった。
それがすごく、嬉しいんだ。



「春香は、今幸せ?」

「え・・・?」

「無理してない?」




悠斗は、神妙な顔をして私を覗き込む。
無理・・・?
私は、少し考える。



「してない」

「本当?」

「うん。してない。私、幸せだと思う」



悠斗がいてくれて、幸せだと本当に思う。
それは嘘じゃない。

まだ、完全に前を向けたわけじゃないけど。
暗い感情が湧いてくることもあるけど。






「悠斗がいてくれるから・・・」

「え?なに?聞こえない」

「なんでもない!」



恥ずかしくなって、小走りで歩き出す。




< 258 / 390 >

この作品をシェア

pagetop