きっと、君を離さない



そして、引っ越しの日。
動きやすい格好で、指定された時間に行くと悠斗と草太が迎えてくれた。




「春香、ありがとう!」

「おー、久しぶりだな」

「わ!草ちゃん!ほんと、久しぶり!」




久しぶりに会った草太は髪が少しだけ伸びていて少し大人っぽくなっていた。
悠斗はよく会ってるからわからないけど、悠斗も大人っぽく変わってるのかな?





「なにしたらいい?」

「俺たちで大きい家具とか運ぶから、春香は皿とかそういう小さいやつをお願い。この段ボールの中だから」

「わかった。お皿は一回洗って片づけるね」

「サンキュー」




私たちはそれぞれの作業に移る。
悠斗と草太は協力して大きな家具を配置していく。


少しずつ形になっていく悠斗の部屋。
悠斗だけの、部屋。




ここで、悠斗は暮していくんだ。





しばらく作業を続け、ようやく生活が出来そうなところまで片づけることができたのは日も傾いてきたころ。
夕日が部屋を照らして行く。




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