きっと、君を離さない
「で、でもさ、それを見に行くのに・・・お兄ちゃんを誘うわけにもいかないしさ」
「そりゃそうでしょうね」
「でしょう?だから、・・・お願い!春香、付いてきて!」
「・・・はあ?」
長々と前振りを話すな、と思ってたらそういうこと?
「やだよ!」
当然、その結論にたどり着く。
そんな場所、私には不釣合い出し行きたくない。
「なんで?おねがい!一人じゃいけないよぉ!」
「じゃあ行かなければいい」
「やだ!もう会えなくなっちゃうじゃん!私、本当に好きになっちゃったの!」
そりゃあ、理恵には幸せになってもらいたい。
だから、応援はしますよ。
そりゃ全力で。
でも、私がそれについていくとなったら話は別。
それは人がいるわけで、愛想笑いの苦手な私が行くのは苦痛でしかない。
それに、理恵の好きな彼がいるのならなおさらだ。
友達の私が不快な印象を与えるわけには行かないんだから。