きっと、君を離さない
「春香、お願いだからスナックの仕事やめてよ」
私に向き合い真剣な声で切り出す。
心配してくれてることはわかってる。
今回の事は、私もすごく怖かった。
「・・・」
「生活するのにお金が必要なのもわかる。次の仕事が見つかるまでお金の援助ならいくらでもするから」
「ダメだよ!そんなこと、悠斗にさせられない」
「春香がスナックで働くよりましだ」
私は、しばらく俯き考え込む。
私はこの仕事以外の仕事ができるだろうか。
人に笑顔を向け、言葉を交わし、人とコミュニケーションをとる。
私に、できるだろうか。
「・・・わかった。辞める」
「本当か?今すぐだぞ?」
「うん」
私は、悠斗の目を見て頷いた。