きっと、君を離さない



そして、放課後なんだから制服でいいじゃんという私に断固として譲らなかった理恵と着替えて向かった。
ちらりと隣を見ると、おしゃれをした理恵の可愛らしい姿。



「気合入ってるね」

「だ、だって!相手は大学生だよ!子どもに見られたくないもん」

「へぇ。若いには若い良さもあると思うよ?制服萌えとかさ」

「草太さんはそんな変態チックじゃない!」




プンプン怒り出す理恵。
別に、変態だと言ってるわけじゃないんだけど。
でも、これ以上は機嫌を損ねてもいけないので黙っておこう。


そして、たどり着いた体育館。
中からボールの音が響く。




「そういえば、なんのサークルなの?」

「バスケ・・・」

「へえ」



入口を探して中に入る。
中に入ればキュッキュというバッシュの音や、ボールの音人の声が大きくなった。
少しの居心地の悪さを感じる。
こんな明るい世界、私には場違いだ。


目の前が、霞むのを気づかないふりして頭を振った。




「ああ、草太さん、覚えててくれてるかなぁ・・・」

「覚えててくれてないと、私たちただの侵入者だからね」

「うっ・・・」




勘弁してよ。




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