きっと、君を離さない
「お花見に行こう」
そう言いだしたのはもちろん悠斗。
悠斗は、そういうイベントごととかきっちりこなしたいタイプ。
付き合ってまだ2か月程度だけど、付き合いだしてからは特にそうだ。
それは時に草ちゃんを巻き込んでだったり、二人きりでだったり。
驚いたのは、恋人同士には特別関係のないような豆まきをしようと言い出した時。
草ちゃんを巻き込み、悠斗の家で悠斗が鬼の豆まきをしたのは、楽しかったけど驚いた。
「河川敷の桜を見に行こう」
「うん。・・・お弁当、作ってきた」
「ほんと?やったね!」
子どもみたいにはしゃぐ悠斗に、お弁当を作ってよかったと感じる。
悠斗は私の手を取ると楽しそうに歩き出した。
「温かくなってきたね」
「ああ。今年の夏は、いっぱい楽しいことしよう。二人で、いろんなところに行こう」
「・・・うん」
“恋人同士”になるって、こんなに幸せなんだ。
二人での思い出がたくさん増えていく。
私の人生が、色づいていく。