きっと、君を離さない
助けを乞うことも。
泣き叫ぶ事も。
泣かなければ、耐えていれば、反応がないことを知ればつまらなそうに暴力を切り上げるのが早いことに気づいたんだ。
気が済めばやめてくれる。
そうやって私は、やり過ごしていた。
耐えられない仕打ちにも、唇を噛みしめて耐えた。
どうしてこんな目に遭わないといけないのだ。
私が、なにをしたというのだ。
毎日、毎日、恨み言のようにそう思った。
助けてくれない母。
愛してくれない父。
私は、いらないのだと、悟った。
そして、あの日。
その日は、父は夜遅く、父が帰ってくるころには私はもう部屋のベッドの中に入っていた。
うつらうつらと夢の世界へと、唯一私が安心できる夢の世界に落ちていくまさにその頃。
キイイ、と音を立て扉が開いた。