きっと、君を離さない
―だから、しばらく忙しくなるんだ
「うん」
―電話はなるべくするからさ。ごめん。しばらく会えないかも
「うん。大丈夫。仕事、頑張ってね」
私は、なるべく明るい声でそう言った。
頑張ろうとしている悠斗の足を引っ張りたくない。
心配ばかりかける彼女は、もう嫌だ。
悠斗を支えられる彼女でいたいの。
「じゃあ、私そろそろいかなきゃいけないから」
―ん、俺もだ。じゃあ、また連絡する
なにも疑った様子のない悠斗にホッとする。
悠斗に会いたい。
今、ものすごく悠斗に会いたい。
悠斗と一緒にいれば、過去もすべて忘れられるんじゃないかと。
自分の薄汚れたこの身体も、すべて綺麗になるんじゃないかと。
幸せに、なれるんじゃないかと。
期待した。
夢、見てた。
でも、違った。
なにも、忘れさせてはくれなかった。
この身体は、薄汚れたまま。