きっと、君を離さない
倒れたって言う事実と、仕事中っていう言葉に混乱する。
それは、春香がスナックを辞めていなかった事を意味する。
春香は、俺にウソを言っていたんだ。
「どういうこと、ですか・・・」
―いらしてから、詳しいことは・・・
「わかりました。すぐに向かいます」
それよりも、今は春香の様子が心配だ。
俺は電話を切ると走って駅に向かった。
電車に揺られながらも、頭の中でいろいろなことを考える。
春香が倒れたって、いったいどういう事なのか。
春香は、無事なのか。
どうして、春香はスナックを辞めたとウソをついたのか。
早く、早く。
気持ちだけが焦る。
電車を降り、走ってスナックへ向かう。
スナックの階段を駆け上がり、勢いよく扉を開けた。