きっと、君を離さない
突然、春香の声が聞こえる。
俺は手を止めて、春香の元へ。
春香は、うなされている様で体をねじりながら苦しそうに悶える。
「・・・で!・・・こないで・・・っ!」
「春香!?」
久しぶりに見る、こんな春香に胸騒ぎを覚える。
何かが、起きている。
俺の知らないところで、なにか。
「春香!春香!俺だって!」
「・・・いや!はなし・・・て・・・!」
暴れる春香を押さえつけ落ち着かせる。
次第に弱まる力。
「ゆう・・・と・・・?」
「そう、俺だよ。悠斗。最近会いにこれなくてごめんな・・・」
ようやく気付いたのか開かれた瞳が俺を見る。
グイッと腕を引かれ、春香の上に覆いかぶさる形になる。
「はる・・か・・・?」
肩口から聞こえる春香の鳴き声。
春香は、俺を抱きしめながら泣いていた。