きっと、君を離さない
「なんで、悠斗がいるの」
落ち着いた様子の春香が、俺を抱きしめる手を緩めてそう言った。
身体をそっと離すと、起き上り向かい合う。
「江梨子さんが連絡くれたんだよ」
「・・・そう」
「覚えてる?酒飲んで倒れたんだって」
「あ・・・、うん・・・」
気まずそうに目をそらす。
俺は、そんな春香をじっと見る。
「ごめん・・・」
「ごめんで済むの?」
俺は、責め立てるように間隔を置かずそう言った。
「春香、俺にウソついてたよな?」
「・・・」
「スナックの仕事、やめたって言ったくせに」
「それは・・・」
「なに、言い訳でもあるの?」
こんな風に責めたいわけじゃない。
ただ、ウソをつかれたことが悔しいんだ。