きっと、君を離さない
「・・・悠斗が、辞めろ辞めろってうるさいからでしょ」
「そりゃ、うるさくだって言うよ。俺はやめてほしいんだから」
「なんで・・・」
「なんで?じゃあ、なんで続ける必要があるの?男が嫌いなくせに、続ける必要なんてないだろ」
ダメだ。
溢れてくる。
俺の気持ち、押し付けるだけじゃダメなのに。
「お金が必要なんだから、仕方ないでしょ!生きてくためには必要なの!」
「お金のために、大嫌いな男に愛想振りまいて、飲めないお酒飲んで、結果こうなってんだろ!?」
違うだろ。
そういう事じゃない。
「でも、辞めてなかったことがこんなに辛いんじゃない。・・・辞めたって、ウソついてたことが・・・一番辛いんだよ」
「・・・だって、私にはこうするしかなかった」
「俺って、春香のなんなの?彼氏って、そうやってウソつかなきゃ一緒にいられないの?」
それって、春香自身を偽ってるってことじゃないか。
俺は、そんな春香と一緒にいたいんじゃない。
「俺は、どんなに口が悪くても、どんなにかっこ悪くても。ありのままの春香の側にいたいんだよ」