きっと、君を離さない
「ッにするんだ!」
「お前が!お前が春香を苦しめてるんだ!父親のくせに!」
男が嫌いになったのだって、こいつのせいなんじゃないのか。
春香が、誰も信じられなくなったのだって・・・。
そんなことを考えると、止められなくなった。
男に馬乗りになり胸ぐらをつかんで怒鳴りつける。
気は、晴れない。
「お前が父親なんて、認めない!お前みたいなのに、春香は!ずっと苦しめられてきたんだ!」
「悠斗っ!」
「なんで、なんで、春香が縛られなきゃいけないんだよ!」
「くそ!放せっ!」
「なんで、お前なんかに春香の心を奪われなきゃいけないんだよ!」
簡単に、春香の心を崩してしまう。
穏やかだった時間を、簡単に壊してしまうんだ。
バキッ!
鋭い痛みが頬に走り、俺は床に背中から倒れこむ。
春香の悲鳴が耳に聞こえる。