きっと、君を離さない
忌々しい顔を見せながら、身体を起こす男。
口の中に鉄の味が広がる。
悔しい。
こんな奴。
こんな奴に、俺は。
「その女の価値なんか、たかが知れてる」
「なに?」
「その体を使って金を掴むくらいの事だろう」
「・・・んだと!?」
血が頭に登っていく。
拳をグッと握っていないと、この怒りが暴走してしまいそうになるんだ。
「知らないと思ったのか?今までだってそうやって生きてきたんだろう?汚れた女。そんな女には、お似合いじゃないか」
「・・・っ」
「それくらいしかできないんだから、黙ってすればいいんだよ!」
こいつは、本当に人間か?
本当に、人の親なのか。