きっと、君を離さない
勢いよく壁に男を押し付ける。
俺は、こいつを許さない。
「悠斗!やめて!」
そんな俺を、止めようとしたのは春香。
どうして。
こいつのせいで、春香は苦しんでる。
どうしてこいつを庇うんだよ。
「離せ!こんな奴、庇うな!」
「違う!違うよ!・・・私はっ、悠斗にこんなことしてほしくないだけだよ!」
「でも!こいつのせいで!」
こいつがいるから。
春香はいつまでたっても前を向けない。
「私には悠斗がいるから!そう・・・いってくれたのは悠斗でしょ?」
「春香・・・」
「なにがあっても、なにを言われても・・・。平気。私には、悠斗がいるから」
春香の声に、胸ぐらをつかんでいた手を緩める。