きっと、君を離さない



悠斗は、窓に近づきカーテンを開ける。




「よし」



そう呟いて、振り向いた悠斗はいつもの悠斗の表情に戻っていた。
ホッとする。



よく知ってる悠斗の顔。




「・・・ごめん、勝手につれてきて。でも・・・」

「よかった・・・。いつもの悠斗に戻って」

「え?」




悠斗の言葉をさえぎって、安心したことを伝えると悠斗は目を丸くさせた。





「ずっと、怖かったから。私のせいだってわかってるけど・・・。あんな悠斗、初めて見たから・・・」

「ああ、ごめん・・・。別に春香に対して怒ってたわけじゃない。・・・あの父親でもない」





悠斗は切なく笑うと、ソファに腰かけた。
私は悠斗に向かい合うように悠斗の前に座り込む。
悠斗を見上げ、不安げに続きの言葉を待った。





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