きっと、君を離さない
「悠斗なら、右手に持ってるコップの方が気にいるかなー」
「え・・・?」
両手にコップを持って悩んでいた私に降ってきた声。
私は振り返ってその声の主を確認する。
「草ちゃん!」
「よ」
「どうしたの?買い物?」
「暇だったからフラフラと」
ここは、大型ショッピングモール。
休日ともあって人で溢れかえっている。
そんな中で偶然草太に出会うなんて。
「で、それで悩んでたんだろ?」
「あ、うん・・・」
悠斗の部屋でお世話になるようになって、なにかお礼じゃないけどできたらなって思って。
いつも仕える者って考えたらコップくらいかなぁって。
でも、悠斗の好きそうな感じがよくわからなくて悩んでたんだ。
「悠斗は、あんまごちゃごちゃデザインがあるより、シンプルなやつが好みだと思う」
「そうなんだ・・・」
「でも、殺風景とは違う・・・要するに、めんどくせーのよ」
「ふふっ」