きっと、君を離さない
「ありがとう」
「いーえ。それより、聞いたぜ。一緒に住み始めたって」
草太の言葉に、私は少し困ったように笑うと頷いた。
悠斗の言葉に甘えきってあれからずっと一緒に暮らしている。
所謂同棲みたいになっていて、悠斗は本当にいいのかなってたまに不安になる。
「私に、縛り付けられてるの、悠斗」
「え、それ逆だろ?大石に縛り付けられてるんじゃん。春香が」
「・・・そう見える?」
「うん。ものすごく」
はっきりとそう言われ戸惑う。
私としては、縛られてる気は全くしていないし。
本当に私と関わったばっかりにって思いの方が強い。
「春香ちゃんは、あいつがどんな奴だって思う?」
「悠斗が・・・?誰とでも分け隔てなく関われる・・・人」
だからこそ、私なんかに捕らわれたんだ。
「あいつはさ、そんな風に人懐っこく見えるけど、誰彼かまわず受け入れるような奴じゃないんだ。受け入れているように見えて、ちゃんと自分のテリトリーを作ってて。そこに入れるのって、ほんとに一握り」
「え・・・」
「見えないだろ?だから、うまいんだよ。他人を安心させる技に長けてるっていったらいいのかな?」