きっと、君を離さない
「だから、そのコップもさ・・・。ほら」
「え・・・」
並べられたコップの中から、私が持っていた悠斗に選んだコップの色違いの物を取り差し出す。
それって、おそろいで買うってこと?
「そ、そんな、恥ずかしい・・・」
「なんで?恋人同士なんだからいいじゃん」
「でも・・・」
そんなこと、したことないし。
食器棚の中に二つ並べられているのを想像すると、ものすごく照れ臭いんですけど。
「きっと、喜ぶよ」
「・・・そうかな?」
「うん。絶対。そう言い切れる」
草太にそう言われると、心が揺れる。
喜んでくれるなら・・・。
おそろいのコップ。
なんだか、こそばゆいけれど。