きっと、君を離さない
お揃いのコップが並ぶテーブル。
二人掛けのソファに二人並んで座る。
なんだか、いつまでたっても慣れない。
男の人には慣れていたはずなのに。
なんとも思っていない人と肌を重ねたことだってあるのに。
それなのに、こんな風にぎこちなくドキドキしてしまう自分がいることに。
驚きと、感動を覚える。
“愛”があると違うんだ。
こんなにも、見える世界は違うのだと。
「悠斗に・・・見てもらいたいものがあるの」
私は、そう切り出した。
いつかは離さなければと思っていたこと。
ずっと先延ばしにしてきた。
父親のことだって、あれから悠斗は一言も聞こうとはしなかった。
それはきっと、私が話すのを待っているんだと思った。
待っていてくれている。
そして、悠斗ならきっと受け入れてくれる。