きっと、君を離さない



「・・・私、綺麗じゃない。身も・・・心も・・・。だから、私の事見捨てていいよ」





今でも、鮮明に思い出すあの頃の事。
この傷跡がある限り、忘れることはできない。


それでも、愛を知ってしまった。
悠斗の愛を信じてしまったから。

願ってしまう。
愛されたいと。



ふわりと、温もりを感じる。
背中から抱きしめられた体。





「・・・愛してあげる」

「悠・・・」

「俺が、全部。春香の過去も今も未来も・・・全部、全部、愛してあげる」




冷たい滴が肩にかかる。
悠斗、泣いているの?

私のために、泣いてくれている。



それだけで、胸がいっぱいになる。




「きて・・・」



悠斗に体を引かれ、ベッドに向かい合って座る。





< 353 / 390 >

この作品をシェア

pagetop