きっと、君を離さない
「・・・私、綺麗じゃない。身も・・・心も・・・。だから、私の事見捨てていいよ」
今でも、鮮明に思い出すあの頃の事。
この傷跡がある限り、忘れることはできない。
それでも、愛を知ってしまった。
悠斗の愛を信じてしまったから。
願ってしまう。
愛されたいと。
ふわりと、温もりを感じる。
背中から抱きしめられた体。
「・・・愛してあげる」
「悠・・・」
「俺が、全部。春香の過去も今も未来も・・・全部、全部、愛してあげる」
冷たい滴が肩にかかる。
悠斗、泣いているの?
私のために、泣いてくれている。
それだけで、胸がいっぱいになる。
「きて・・・」
悠斗に体を引かれ、ベッドに向かい合って座る。