きっと、君を離さない



「これは?」

「・・・お父さんの大切にしてた湯呑を割って・・・お仕置きだって」





傷を見れば思い出す。
その時の記憶。
でも、どうしてだろう。
今は怖くないの。
悠斗が側にいるから?



一つずつ…一つずつ…傷跡に悠斗のキス。
その度に悠斗の唇から愛が注がれている様で、心が温かくなるの。





上半身が終わると、今度は足へ…。
全てにキスを終えて、悠斗はまた私と向き合うと今度は傷のない胸元へ唇を近づけた。





「・・んっ・・・」






強く吸われ、赤く残った胸元の印。






「傷を見て、嫌な事思い出したら・・・、この印を見て俺を思い出して?」

「悠斗・・・」

「消えたらまたつけてあげる」





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