きっと、君を離さない
番外編
未来
今から、10年前。
私は、この町から逃げ出した。
まだ子どもで、弱かった私。
大切な友達からも、大好きだった彼からも。
今は思う。
どうしてあの時逃げてしまったんだろう。
親友だと思っていた、・・・春香の言葉も聞かず。
春香は、いつもはっきり物を言う子だった。
それは、私には正直きつい言葉だったりもした。
だから、私は春香に話すのが怖くて、いつしか避けるようになった。
春香は私を想って言ってくれてるの、知ってたのに。
そのタイミングで引っ越しの話が出て。
私は春香にも誰にもそのことを知らせずその町を出た。
携帯も変え、すべてから逃げ出したの。
最低な私。