きっと、君を離さない
「やっぱり、理恵だ。・・・なんで?こっちに、戻ってきてたの?」
「は、春香なの?ウソ・・・。見違えてわからなかったよ・・・」
「そうかな・・・?」
どこか、寂しげな複雑な表情の春香。
私は、久しぶりの再会に嬉しくて気分も上がる。
嬉しい。
会えるなんて。
会いたかったから、本当に嬉しい。
「よかった。春香に会いたかったの・・・。私、春香に謝らなきゃ・・・」
「・・・どうして、なにも言わずに転校なんてしたの?連絡先だって・・・」
「ごめん・・・。ごめんね。私、逃げ出したの・・・。弱い自分から、逃げたかったから・・・」
悔やんでももう遅い。
あの時間は、もう戻っては来ないんだから。
「・・・うち、来る?」
「え、いいの?」
「うん。すぐそこだから」
春香にそう言われ、少し戸惑いながらもついて行く。
春香が案内してくれたのは、綺麗な一軒家。
おしゃれな外観で、真っ白い壁の可愛い家。
「少し散らかってるけど」
そう言って中に招き入れてくれる。