きっと、君を離さない
「そういや、お客さん?見慣れない靴あったけど」
「あ・・・うん・・・」
そう言って、扉から顔を覗かせこちらを見る。
その旦那さんの顔に、私は目を見開いた。
その顔に、見覚えがあったから。
いつも、草太さんの隣にいた。
私にも、優しく声をかけてくれてた悠斗さん。
なんで・・・?
なんで、悠斗さんが春香と?
「り、理恵・・・?」
「お久しぶりです・・・」
戸惑いが隠せず動揺のまま挨拶をする。
悠斗さんも、かなり動揺している様子。
「なんで・・・」
「理恵が連れて行ってくれたサークルで知りあってからいろいろあって・・・」
「そ、そうなんだ・・・」
春香が、少し言いずらそうに話してくれた。
なにも知らなかった。
私が、聞こうとしなかったんだよね。