きっと、君を離さない
どれくらい経っただろう。
ようやく呼吸も落ち着き混乱した頭も少しだけスッキリする。
「大丈夫・・・?」
頭上から降ってきた声にハッとして、私はとっさに突き飛ばした。
地面に倒れこむ悠斗。
「った・・・」
「あ、ご、ごめんなさい・・・」
そこまで強く推していないはずなのに、凄く痛そうな表情。
そんな彼を見て思い出した。
そういえば、手首を負傷していたんだ。
「必死で忘れてた、手首のこと」
はははと空笑いをする。
私は駆け出しトイレを探す。
それはすぐに見つかり、ハンカチを濡らした。
軽く絞ってさっきの場所に戻る。
彼は立ち上がり体育館に戻ろうとしていた。
「あ、あの」
「ん?」