きっと、君を離さない



「あの時の春香ちゃんと大石は、見てられなかった。二人とも、ボロボロだったよ」




そんな・・・。
私のしたことで、春香がそんな風になるなんて。
思ってもみなかった。


春香は、強いから。
私なんかいなくたって、平気だと。
私の存在なんか、春香の中では小さいものだって思ってた。





「春香ちゃんは、強くなんてない。弱いから、強くみせようときつく当たったり、弱さを見せないようにしてたんだ」

「・・・春香」

「それでも、二人はそれを乗り越えて、今の二人がある。会ったんだろ?二人に」

「うん・・・。すごく、幸せそうだった。春香も、私が知ってる春香じゃなかった」





悠斗さんが変えたんだね。
春香を、あんな風に変えたんだ。





「これを聞いて、理恵はどうする?」

「どう・・・」

「また、逃げる?」

「・・・ない。逃げたくない、もう・・・逃げるのは嫌。春香に、謝りたい」




許してくれるかわからないけど。





「行って来いよ。俺は、ここで待ってるから」




草太さんが、背中を押してくれる。





< 383 / 390 >

この作品をシェア

pagetop