きっと、君を離さない
「春香!」
カフェで待っていてくれている春香のところに行った。
春香は、驚いたように顔を上げる。
「どうしたの?早かったね」
「春香・・・。私、本当に取り返しのつかないことをしてしまったんだね・・・。春香の心、傷つけてたなんて・・・知らなかった・・・」
「理恵・・・」
「謝っても、傷つけてしまったことは消えない・・・でも・・・私・・・」
なんと言えばいいんだろう。
軽率な行動が。
春香を傷付けていたなんて知らなかった。
違う。
知ろうとしなかったんだ。
春香は強いって。
私なんていなくても平気だって。
私、そう決めつけてた。
なにも聞こうとせずに。
「辛かったよ。苦しかった。恨みたくもなった・・・。でも、私には悠斗がいてくれたの。だから、乗り越えられた」
「春香・・・」
「だからね、人を恨むのはやめようって思ったの。私は、前に進みたいから」